情報コーナーのあり方と道路情報 (平成10年5月)

 

1.情報コーナーの設置場所

情報コーナーは、トイレ、土産物売場、レストラン等へ行く時に必ず通るホールを利用するなど、多くの人が集まる場所に設けるべきです。独立した場所に設けた道の駅では、それが優れた情報提供システムであっても利用者は少なく、「誰も見ていないのに、大型テレビで様々な情報を提供しても、何の意味もない」、という批判がつきまといます。道の駅に訪れる人たちの多くは、トイレ休憩など限られた時間に、お土産を買い、お茶を飲む訳で、「道の駅」で地域の情報や道路情報が知りたいと思う人は限られています。利用者は、一服する間に地域情報や道路情報を知ることが出来る環境を望んでいると思います。また、情報コーナーを二階に設けている駅がありますが、如何に情報提供のレイアウトが優れていても、余り利用されていません。人が利用する適切な環境にないからです。このようなことは地域活性化のために施設を集積して、道の駅として全国的にPRする事により活性効率を高めようとの、自主的な創意工夫による計画に基づき実施する自治体では、十分検討され承知していることです。それが現実に、情報の利用効率が低い「情報ステーション」として独立施設になっているのは、農水省等の地域活性化補助事業施設に建設省の補助事業設備を入れることが出来ないという活性化支援補助事業の制度上の理由か、または、縦割り行政上の理由による制約があるからだと思われます。

参考になる道の駅:広島県「布野」駅、滋賀県:「琵琶湖米プラザ」駅の情報コーナー

 

2.情報提供のあり方

パソコンや映像システム等マルチメディアを活用した情報提供システムは、高度情報社会には欠かせない設備ではありますが、コマーシャルはテレビでも10秒から20秒です。それ以上は飽きてしまうからです。迫力のあるパネルを多くした構成など「瞬時に分かる情報提供」の工夫が必要だと思います。

 

3.情報発信基地の意味合いから情報コーナーにあるとよいと思われるもの 

「観光客向けに」  

郵便ポスト、地域をPRする絵葉書、葉書に押すスタンプ、切手、

「ビジネスマン向けに」            

携帯用パソコン等に利用する電話接続端子、電源コンセント及びテーブルがあるスペース

 

4.道路情報について

ドライバーが一番欲しい情報は、通行止情報と渋滞情報です。が、残念なことに、道の駅では完全な情報が得られるとは限りません。まず、渋滞情報は道路情報ではなく交通情報ですから、提供の主管は、道路の交通を管理する警察です。また、通行止情報は交通情報ではなく道路情報ですから、提供の主管は道路の安全を管理をする建設省や県などの道路管理者です。一般的に、情報コーナーは道路管理者が設置する関係から警察が管理する交通情報は建設省とのネットワークがありませんので、渋滞情報は、例外を除き、道の駅では得られません。 更に厄介なことは渋滞情報など交通情報は、例え道の駅周辺が渋滞していて建設省や県などの道路管理者がドライバーにサービスとして自主的に出そうにも、その情報が交通情報だとの警察見解があれば、協議して決めるという警察協議事項により、迅速な情報提供が出来ないという行政上の問題があります。現状では、道路管理者は交通情報は出せないことになっているようです。また、通行止め等の道路情報は、国道(主に一桁及び二桁国道)は国(建設省)が、その他の国道、県道等は県が管理する関係から、まだ情報ネットワークの一本化に至っておらず、従って、国道(主に一桁及び二桁国道)沿いにある道の駅は建設省が管理する道路情報しか、またその他の道路沿いにある道の駅は県が管理する道路情報しか得られません。建設省の所管(直轄事業)する道の駅では通行止の情報が出ていなくても、県の所管(補助事業)する道の駅では県の管理する道路の通行止情報が出ていることがあります。或る道の駅で通行止情報が出ていないからと言って全県域に通行止がないと判断できないのが道路情報の現状です。少なくとも、県全域の通行止情報くらいは、県内の何れの道の駅でも同一の情報を提供して欲しいものです。   

                 

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