私なりの「オペラ名作選」そのストーリーと名曲

 

   1986年スカラ座で上演「マダム・バタフライ」の紹介

1986年スカラ座で上演された林康子の「マダム・バタフライ」は、やぐらの木組みに、四方を3mほどの背の高い障子で囲った部屋、筋引きが施された砂利の池と石畳を敷いただけの庭という極めてシンプルな舞台装置です。「マダムバタフライ」が作られた時代背景はヨーロッパではジャポニズムによる日本式の石の庭園が数多く建設されたことを連想させ、紙一枚で暖まで取る障子は、照明の深みとシルエットの幻想的な雰囲気を表現し、格子にすることで造形のすばらしさを作ります。日本のシンプルで深みのある「紙の文化」を演出に活用した舞台は見事というほかありません。天井桟敷の教養豊かな若い女性達から、ブラーヴァ、ファンタスティッコの声が飛び交ったことでしょう。ちなみに演出は浅利慶太氏で衣装は蝶々のデザインで世界的に有名な森英恵氏です。

 

      歌劇「マダム・バタフライ」(イタリア語)  ジャコモ・プッチーニ

   

   1986年スカラ座上演の「マダム・バタフライ」そのストーリーと名曲

 

イタリアのミラノにあるスカラ座(テアトロ・スカラ)はオペラの歴史と遺産が沢山ある世界で最も有名な歌劇場で、ここでタイトルロールを取ることはオペラニストの夢であり、成功すれば世界が一流のオペラ歌手と認めます。いわばステータスのようなものです。観客も厳しく気に入らないとブーイングが飛び交い、すばらしい時には、天井桟敷はブラボー、ブラバーの大騒ぎになります。蝶々夫人も初演は大ブーイングだったようです。

<初演>1904年2月17日(明治37年)ミラノ・スカラ座

<登場人物>

蝶々夫人:林康子(ソプラノ)

スズキ(女中):ハク・サム・キム(メゾソプラノ)

ピンカートン(アメリカ海軍副官):ペーター・ドヴォルスキー(テノール)

シャープレス(長崎領事):(バリトン)

ゴロー(周旋屋):(バリトン)

ボンゾ(蝶々さんの伯父、僧侶):(バス)

ヤマドリ(蝶々さんの求婚者):(バリトン)

ケイト(ピンカートン夫人):(ソプラノ)

合唱    : スカラ座歌劇合唱団

演奏    : スカラ座歌劇交響楽団

<演出>  : 浅利慶太

<衣裳>  : 森英恵

<舞台装置>

舞台の左側に、櫓に組んだ木組みに、四方を3メートルほどの高さの障子6枚づつで囲った部屋があり、庭は、大きな砂の池が3カ所、白い砂利の小さな池が3カ所あり、さざ波を表現する筋引きが行われています。池の周りは畳ほどある平らな石を敷きつめた小道になっていて、背景は長崎湾の海がきらきら輝いている、極めてシンプルな舞台装置です。

<時代>  :明治初期

<場所>  :長崎湾が見下ろせる丘の上に建つピンカートンが借りた家

 

第1幕

長崎の港が見下ろせる丘の上に建っている家の庭には、石畳と白い砂の池が配置され、黒子の庭師が、さざ波を表現する筋引きを引いています。左側には背の高い障子で囲まれた部屋があります。

庭先でアメリカ海軍の白いダブルの制服を着たアブラハム・リンカーン号の副官ピンカートンに、着物の上にモーニングを羽織った斡旋屋のゴロー(蝶々さんをピンカートンに斡旋した)が、蝶々さんと一緒に暮らすこの家について「小さな家だ、広間は」、「外です」などと説明し、今日の結婚式は神主の祝詞と誓詞の署名で終わること、参列者は親族が2ダース位であること、女中のスズキや下男の紹介などをしています。

結婚式に参列するために長崎領事のシャープレスが「石ころが多い坂だ、疲れる」といって坂道を登って来ました。「海が見下ろせる美しい景色だ」と景色のすばらしいことに感心します。「999年間いつでも変えられる契約で借りました、この国では契約を勝手に変更することが出来る」など、自分たちに取って都合のよい国であることをシャープレスに話し、ウイスキーで乾杯します。(星条旗よ永遠なれの旋律)

(1)ヤンキーは、世界のいずこであろうと(テノール:ピンカートン)

「ヤンキーは、世界のいずこであろうと、危険をかえりみず楽しみ、商売する。どんなに打ちのめされても、運命を取り戻して見せる。私はいつでも自由に解消出来る条件で結婚するのです」、「それは不遜だ」とシャープレス、「わずか100円です、どうですか」とゴローはシャープレスに勧めます。シャープレスは「本当に好きか」と尋ねます。

(2)真実の恋か、気まぐれか、それは分かりません(ピンカートン、シャープレス)

「真実の恋か、気まぐれか、それは分かりませんが、うすいガラス細工のような娘が、小さな蝶々のように軽やかに振舞う姿は、まるで絵双紙から抜け出た美しさで、すっかり魅せられ、羽をむしりたい衝動に駆られる」

「彼女には会っていないが話し声を聞いた、彼女はお前を信じ切っている、真剣なのだ、アメリカに婚約者がいるのに、不遜だ、悲しい結果になる」とシャープレスは忠告します。

ピンカートンと結婚式を挙げるため、日傘をかざした20人くらいの村娘達に伴われて蝶々さんの一行が丘を登ってきました。「日傘に囲まれた蝶々さんの登場の場面」

(3)私は世界中で一番幸せな娘(蝶々さん:ソプラノ)

「海も大地もすっかり春だわ、私は世界中で一番幸せな娘、愛に憧れ、たのしい家の入り口にやっと着いたわ」

角隠しに打掛けを着た、清楚で愛くるしい蝶々さんを見たピンカートンとシャープレスは「人形のように美しい」と見とれます。シャープレスは、蝶々さんに「驚くほど美しい」、「お生まれは長崎ですか、ご家族は、お年は」など身の上を尋ねます。

(4)もとはかなり栄えた家でしたの(蝶々さん)

蝶々さんは、長唄越後獅子の旋律で自己紹介します「もとはかなり栄えた家でしたの、でも没落して、食べるために芸者になったのです。家族は母と二人ですのよ」

「まるで人形が話しているようだ、私の心は燃え上がる」とピンカートン、「15歳です、もうお婆さん」と蝶々さん。15歳と聞き、二人は驚き、シャープレスは「考え直せ、悲しい結果を招く」と再度忠告しますが、ピンカートンは、あまりにも可愛い蝶々さんに呆然とし、シャープレスの言葉が耳に入りません。

庭に幾つもの赤い毛氈、写楽の役者絵が描かれた屏風、赤い大きな日除けの傘や料理の膳が、黒子によってセットされます。

君が代の旋律が流れ、神官や役人を伴って30人ほどの親族や芸者達が到着し、宴席に着ます。親族や芸者達は「立派な方、まるで王様のよう」、「私も紹介されたけどやめたわ」、「きっとうまくいかないわよ」など料理を口にしながら陰口をささやいています。

蝶々さんは、かむろが三宝に乗せて持ってきた土産物のハンカチやキセル、手鏡、お歯黒の壺、位牌や大切そうな箱を見せます。箱のことを聞きますが説明したがりません。

ゴローがピンカートンに、それは彼女の父がミカドから拝領した物で「名誉を守ることができないときは、名誉のために死を選べ」という銘がある短刀であること、武士であった彼女の父親が切腹して殉死したときの大切な遺品であることを説明します。

蝶々さんはピンカートンを脇の方につれて行き

(5)昨日たった一人で(蝶々さん)

「昨日、たった一人で教会に行って来ましたの、そのことは誰も知りません、運命の命ずるままに貴方の神様にお祈りします、あなたに喜んで頂くために、私の大切な方」とささやき、「お国の方では、敬愛する方にはこうするとききました」と言って、ピンカートンの手に接吻します。ピンカートンはあまりの可愛さに蝶々さんを抱きしめます。

お江戸日本橋の旋律が流れ、神主の祝詞が始まり誓詞に二人が署名して結婚式が終了しました。「おめでとう蝶々夫人」「いいえピンカートン夫人よ」と蝶々さんは嬉しそうに言います。そこへ蝶々さんの伯父で僧侶のボンゾが怒り狂いながら現れ

(6)どうして教会に行った(僧侶ボンゾ:バス)

「どうして教会に行った、何をしおった、先祖からの宗教を捨ておって、お前は我らを裏切った、神罰を受けるぞ、勘当だ」

と、キリスト教に改宗したことをなじり勘当を言い渡します、それを知った親族達も「恐ろしいこと」と嘆き「勘当だ」、「勘当だ」と言い残して立ち去ってしまいます。

蝶々さんは親族からの絶縁を嘆き、「独りぼっちになってしまった」と泣き崩れてしまいます。

ピンカートンに優しく抱き起された蝶々さんはピンカートンの手を取って部屋の方に導き、婚礼衣装を脱ぎ、白い長襦袢に着替えます

(7)帯が重いので解きますわ(蝶々さん、ピンカートン)

「帯が重いので解きますわ、花嫁は純白の衣裳をつけるのよ、見ていらっしゃる、恥ずかしい、私は見捨てられたけど、とても幸せ」、「あんな可愛い子が私の妻だなんて、情熱が体中にたぎる」ピンカートンは蝶々さんの手を取り、宵闇の庭に出て、二人は甘美で情熱的な二重唱を歌います。

(8)愛の二重唱 (蝶々さん、ピンカートン) (14分間の二重唱)

「魅力にあふれた僕の赤ちゃん、お前は、私を愛してると一度も言ってくれない」、「言うと死んでしまうから」、「死ぬどころか、喜びとなる」、「貴方は私のすべて、とても好きです、かわいがってくださいね」、「愛しいお前の手に接吻させておくれ」、「海の向こうでは捕まえた蝶々をピンで板に刺すそうですが、ほんと」、「それはかわいい蝶々が逃げないようにするためだ、もうお前は私のものだ」

蝶々さんはピンカートンに抱かれて部屋に消えます。障子に映る官能的なシルエットが、甘美な初夜を連想させて、第1幕が終わります

第2幕

(9)イザナギ、イザナミ(スズキ:メゾソプラノ)

ピンカートンがアメリカに帰って3年が経ちました。女中のスズキが「イザナギ、イザナミ、天照大神、猿田彦の神、よろずの神、蝶々さんを悲しませないで下さい」と、お祈りし「外国の旦那様が愛の巣に戻っていらっしゃるなんて、聞いたことがありませんわ」と嘆きます。18歳になった蝶々夫人は怒ってスズキにつかみかかり

(10)お黙り、お別れする朝(蝶々さん)

「お黙り、お別れする朝、きっと帰って下さいますね、と尋ねたの、コマドリが巣を作る頃バラをもって帰るとおっしゃったわ、きっと帰って来るは、私のように、帰ると言って」スズキは泣きながら「お帰りになります」、「どうして泣くの、信じられないのね、お聞き」と切ない乙女心を、心情込めて歌います。

(11)ある晴れた日に(蝶々さんのアリア:ソプラノ) 

「ある晴れた日に、遠い海の向こうに一筋の煙が見え、やがて白い船が港に着くの、あの人は私を探すわ、でも私は迎えに行かない、こんなに待たせたのだもの、意地悪するの、あの人は一目散に丘を登って来るは、私は隠れてしまうの、会ったら心臓が飛び出してしまうから。あの人は心配になって私を探すは、桜の香りがする私の可愛い奥さんと言って。きっとそうなるわ。」

(ある晴れた日と歌う最初の旋律は、真っ青な空と青い海、遠くの青い山の狭間から長崎湾に黒い煙を出しながら白い船が入ってくる、どきどきするような情景が目に浮かびます。歌詞を読みながら聴きますと涙が止まりません)

ゴローを伴ってシャープレスがピンカートンからの別れの手紙を持って入ってきます。ゴローは、蝶々さんに夢中になっている金持ちのヤマドリとの仲を取り持つために来たのです。

蝶々さんはピンカートンの手紙を持ってきたと聞くだけで嬉しくてなりません。

(12)コマドリが巣を作る頃(蝶々さん)

「あの方は駒鳥が巣を作る頃、帰るとおっしゃったのに、こちらではもう3回も駒鳥は巣を作リましたのよ、アメリカの駒鳥はいつ巣を作るのですか」といってシャープレスを困らせます。

宮さん宮さんの旋律と共に、ゴローから蝶々さんとの結婚の仲介を受けた金持ちのヤマドリが、その返事を貰うためにやってきました「多くの愛人との縁を全て切って、あなた一人と結婚したい」。蝶々さんは「私はピンカートン婦人です」と言ってヤマドリの申し入れを断ります。

ゴローは「3年も帰らないのは捨てられたことと同じで離婚なのだ」と言いますが、蝶々さんは

(13)日本では、夫が出ていけといえば(蝶々さん)

「日本では、夫が出ていけと言えば離婚だが、アメリカではそんなことをしたら牢屋に入れられるのよ」といって、捨てられたことを信じようとはしません。 

シャープレスはピンカートンの手紙を読み始めますが、蝶々さんはそれぞれの文言を良いようにとってしまうので、悲痛のあまり、むごい内容を読むことができません。

シャープレスは思いあまって、「もしあなたのところに帰らなかったらどうするのか」と尋ねます。

(ドラムが一撃し、蝶々さんは死ぬほどの衝撃を受け)「芸者に戻るか、死ぬこと」といいます。シャープレスはヤマドリの処に嫁ぐように勧めますが、蝶々さんは「貴方までがそんなひどいことをおっしゃって」と怒り、隣の部屋から可愛い男の子を抱いてきて、ピンカートンが帰った後に生まれた子であることを話し、「この人はこんなひどいことを言うのよ」といって、我が子に言い聞かせるようにソプラノの低音で歌うアリア。(豊年じゃ、の俗曲かっぽれに似た旋律)

(14)坊やの母さん(蝶々さん)

「坊やの母さんは雨の日も風の日も、食べ物や着物を買うために、お前を抱えて町で歌えと、この人は言うのよ、不幸な親子にお恵み下さいと言えと言うの、芸者に戻れと言うのよ、いや、いや、そんな恥ずかしいことをするくらいなら死んだ方がいいわ」

蝶々さんはシャープレスに「あの方に子供がいることを伝えて欲しい」と頼みます。

シャープレスは苦悶しながら子供の名前を聞きます。「今の名前は”悲しみ”と言いますが、彼が帰ったら”喜びに”変わりますの」

蝶々さんの言葉に、シャープレスは、哀しげに、「お父さんに必ず伝える」と約束して帰っていきます。

突然、港で大砲の音が響きます。蝶々夫人は望遠鏡を取り出し「白い船よ、星のついたアメリカの旗、軍艦だわ、アブラハム・リンカーン号と書いてある、あの人が帰ってきたのよ」と叫び、「忘れろと言われたけど、私の恋の勝利だわ」といって、スズキと抱き合って喜び、庭から花をいっぱい摘んできて部屋にまきます

(15)庭の花を全部取ってきて「花の二重唱」(蝶々さんとスズキの2重唱)

「庭の花を全部取ってきておくれ」、「全部ですか、お庭が冬枯れになりますよ」、「もっと沢山よ、沢山庭に涙を流したけれど、今度は沢山花を咲かせてくれるわ」「まきましょう、居間にはバラを」「あの方の椅子には白い百合を」

部屋いっぱいに花をまき、化粧を直し、婚礼の時の帯を付け、幼子には晴れ着を着せ、障子に3つの穴をあけ、3人は正座してピンカートンの来るのを待ちます。夜のとばりが下ります。

(16)ハミングコーラス

夕闇が群青色に変わり、やがて闇夜になっていくシーンで、有名なハミングコーラスの旋律が流れます。(オペラでのハミングのコーラスは極めて珍しく、この曲は、夜が更けるに従って群青色から闇夜に変わって行く日本の夜の風情を見事に表現した名曲で、どなたもご存知の曲です)

印象的な「喜びを表現する地唄舞の静かな舞」のシルエットが障子に映し出され、第1場が終わります。

<第2場>

一晩中待ち、夜が明けました。坊やは疲れ果て蝶々さんの膝の上で眠っています。蝶々さんは坊やを抱き、かっぽれの旋律の「子守歌」を歌いながら坊やを寝かせに行きます。庭の陰にピンカートンとシャープレス、ピンカートン夫人のケイトが来ていました。スズキから「蝶々さんは、3年間、港に来る船を見ながら、子供と一緒にあなたの帰りを待っていた」と聞かされ、ピンカートンは自責の念に耐えられず、

(17)さらば愛の家(ピンカートン:テノール)

「さらば愛の家よ、私は、お前の哀れさに耐えきれず、逃げて行く卑怯者だ」と、ピンカートン唯一の有名なアリアを歌い、逃げるように立ち去ります

人の気配を感じた蝶々夫人が部屋に戻ってきてシャープレスを見つけ「どこに隠れているの」とピンカートンを探します。そこに若い女性がいるのを見つけ、「あの女性はだれ」とスズキに尋ねますが、スズキはただ泣くばかりです。

全てを察した蝶々夫人は、子供の幸せを思い「子供は大切に育てます」と言うケイト婦人の申し入れに「あの方にお渡ししますわ、半刻後に来てくれますか」と告げ、シャープレスとピンカートン婦人のケイトは立ち去ります。

黒子が庭に白い布を敷きます。懐剣を手にした蝶々夫人が白装束で登場し、白布に座って、島田の元結を切り、懐剣をかざして「名誉を守ることができなければ、名誉のために死ね」の銘を読み、胸に突き刺そうとしたとき、幼子が笑いながら駆け寄ってきます。蝶々夫人は我が子をかき抱き、壮絶なアリア「可愛い坊や」を歌います。

(18)可愛い坊や(蝶々さん:ソプラノ)

「坊や、坊や、可愛い坊や、小さな神様、バラのようないとしい坊や、私が死んでいく姿を、汚れのないお前に見せたくない、お前は海を越えてあちらにお行き、お前は御空から栄光に満ちて授かったの、幸せになるのよ、お前の可哀想なお母さんの顔をよく見るのよ、決して忘れないように、よくごらん。いとしい子よ、さようなら、さあ、遊んでおいで」と、幼子を遊びに行かせ、懐剣を胸に突き刺し、死んでいきます。

遠くでピンカートンの「蝶々さん、蝶々さん」の悲痛な叫び声が流れ、歌劇「マダム・バタフライ」の幕がおります。

石畳と白い砂の池だけの庭、さざ波を表現する筋引き、庭に白い布を敷いての切腹の作法、胸にあてた扇をゆっくり開くと赤になり、白い布を抜き取ると真っ赤な毛氈に変わる血染めの演出や、黒子がいろいろ道具立てする光景は歌舞伎を思わせます。

マダム・バタフライはアメリカの作家のベストセラー小説だったと聞きます。戯曲にもなり人気を博したものを、プッチーニがオペラにしたのです。スカラ座での初演は日本の風俗習慣が理解されず、ブーイングの連続で失敗に終わり、プッチーニは怒って、生前はスカラ座での上演を許さなかったそうです。

 

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